人生の糧は人それぞれ

マンガ中心にたんたんと書きます。

魚住かおる「伊集院月丸の残念な霊能稼業」

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怖くて笑えてしかも泣ける、エンターテイメント心霊コミック。(公式より)

得意技は土下座。
自身も認めるヘタレで霊媒体質の遠藤みちるは大学卒業後自分のこの特異な体質を利用して霊能者・伊集院月丸として御祓い屋を開業したものの、実際は視えるだけで霊を祓う能力は全くないインチキ霊能者。
ほのかにイケメンでゆくゆくは霊能タレントになることを狙うものの何かするわけでもなく、霊能者という名のニート状態に業を煮やした家族から就職を迫られプロ霊能者の黒田に弟子入りしようとします。
黒田さんはもちろん断ろうとするのですが、みちるの相棒?のM(ムッシュ)エロひげに弱味を握られていることで脅され、それだけではないですがみちるには元悪霊の鬼姫という強力なバックがついており、さらに自分にはないものを持ってることを認めて晴れてみちるは弟子入りすることになり、二人+αで依頼を解決していきます。


とにかく愉快で笑えます。
心霊ものなのに。
でも出てくる事柄は結構残酷でして、その分解決した時はジーンと感動出来たりします。
みちるのヘタレっぷりも面白いのですがその周りを取り巻く仲間たちも楽しくて、特に私はおっさんの心を持つフランス人形のMエロひげがお気に入りです。
Mエロひげは見た目は女の子のかわいらしい人形で、本来依頼主の娘を護るように作られた護法人形でしてその娘を悪いものから護っていたのですが、その頑張りの甲斐なくお嬢は病に倒れ亡くなってしまいます。
大好きなお嬢を護れなかった無念で勝手に移動したりする人形に気味を悪くした家族は他へ売り飛ばし、その後転々とした後(その時に黒田家にもお世話になる)にみちるの下にたどり着き、みちるのわんぱく小僧の甥っ子にひげをマジックで描かれるという悲劇を受けて本性を表します。
フランス人形にひげにおっさんという、なんと最高のキャラなんでしょう。
他にも守護霊の影響で見た目が平安女子でゴスロリにイケメンが恋したり(しかもその女子はみちるが好き)、キャラが濃い登場人物たちばっかりでそれに振り回される真面目な黒田さんと見てて楽しいです。
でももう一度言いますがとても良い話なんです。


この「伊集院月丸の残念な霊能稼業」の前にシリーズがあるみたいで、1話からすでにMエロひげや鬼姫がいる状態で始まります。
そしてその前作は書籍化されてない?ぽいですが、代わりに電子化してるみたいです。
でも数話だけ巻末に載っていて軽くおさらい出来るようにはなっています。

鬼姫が眷属となるきっかけのお話はまだ載っていないのでぜひ見てみたいです。