人生の糧は人それぞれ

マンガ中心にたんたんと書きます。

久米田夏緒「ボクラノキセキ」

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このマンガ、わたし大好きです。
つい先日18巻が出て結構な巻数が出てるのですが、出会ったのは昨年で瀬々が表紙の16巻が気になって1巻を買ったのがきっかけでした。
いわゆるジャケ買いです。
これが大当りでした。
こういう直感て当たったりしますよね。
一つ前の記事で紹介した「あめつちだれかれそこかしこ」も5巻のなんともいえない表紙が気になって買いました。

内容は転生ものなんですが、魔法が使える中世のような世界で、ゼレストリアの王女ベロニカは城を同盟国だったはずのモースヴィーグに攻めこまれて全滅してしまいます。
皆見♂はベロニカの生まれ変わりで、その皆見のいる世界は現代になります。
皆見は小さい頃からベロニカの記憶があり、そのことで変人扱いされたりするのですが、高校生になった時、とある事件がきっかけでクラスメイトたちにも次々と前世の記憶が蘇って他にも転生者がいると分かります。
現世の友人たちは突然前世の記憶が蘇って混乱し前世の感情に引っ張られて葛藤します。
今の自分と前世の自分は違う、もう終わったことで自分とは関係ないことと分かりながらも戦争の死の恐怖や前世の体験が強烈だったからです。

まず何が面白いのかというと、転生者にはゼレストリアの者以外にもモースヴィーグの騎士たちや中立の立場の教会の神官たちもいます。
自分たちは何故死ななければならなかったのか、ほとんどが戦争の真相を知らずに命を落としたため現世で追求を始めます。
すべてを思い出してる訳ではなく徐々に記憶し戻ってきたりするので巻数を重ねる度に新事実発覚で常に衝撃を受けてます。

さらに前世での立場や知られたらまずい事実を隠すため嘘をついたりつかれたり、正体明かさず陰で動く者も出てきての騙しあいの心理戦もあって何度本を読み返したことか。

また現代の世界とファンタジーの組合わさり方が絶妙だなと思いました。
魔法はゲームみたいな大袈裟なものではないのであまりファンタジーしすぎてなく、だけどさっきまで仲良かったクラスメイトたちは高校生らしからぬ口調になったり主だった皆見を守ろうとしたりと、ファンタジーすぎないけどやっぱり非現実的な、その絶妙なバランスがとても好きです。

ゼロサムにて絶賛連載中です。