人生の糧は人それぞれ

マンガ中心にたんたんと書きます。

トウテムポール「東京心中」

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マンガワンにて「或るアホウの一生」を連載してるトウテムポールさんのBLマンガ。
アホウの作風が好きでこのマンガを知りました。

【※ネタバレ有ります】
テレビ番組制作会社に勤めることになった宮坂は小柄で美人顔だけど口が悪いディレクターの矢野さんと出会います。
最初は矢野さんが苦手だった宮坂でしたが矢野さんの別の一面も知り、冗談でキスされたことで意識していきます。
最初は何気なく就職した番組制作会社でしたが、徐々に矢野さんに褒められることに喜びを感じて仕事にやりがいも感じていきます。
どっちつかずな態度に振り回される宮坂でしたが、矢野さんも宮坂との居心地の良さを認め、めでたく恋人同士になります。

こう文章にするとなんだか普通なんですけど、やっぱりこの作品の魅力は個性的なキャラクターたちです。
二人のやりとりがまず笑えますし、宮坂のすべての行動理由は矢野さんで出来ていて、矢野さんが大阪行くことなれば矢野ロスでアンニュイ宮坂が誕生し、矢野さんが後輩ADと親密?になればブラック宮坂でどす黒くなったりやる気なくしたり、矢野さんで行動が左右されて忙しい奴です。
私の中では最近イタズラなKissの琴子化してるなと思ってます。
そして二人を取り巻く同僚たちもとても良いキャラで私はユカさんが大好きです。

他にも東京心中では個人的に心に刺さる名言がいくつかあります。


「俺とお前は泥沼で溺れながらじゃないと撮るべきものを見つけれない人間だ。」

東京心中3で矢野さんが後輩ADの橘の自主制作映画を見せてもらった時の矢野さんの言葉です。
映画が大好きで、でも関わるとそんな単純なものではなく、それでも泥沼にはまりながらも必死にしがみついてるのにたまに関係ないところから軽々と越えていく人間がいる。
俺たちはそっち側の人間じゃないからとんでもない覚悟が必要だと。
すごく共感出来ました。
好きだけじゃどうにもならなくて苦悩して、才能の前に嫉妬しました。
数十倍の努力が必要なんだと実感させられました。


「ダメなもんにはなんとでも難癖はつけれるのに人を誉める言葉は残念ながらあまりない気がする」

東京心中7で宮坂が初めて作ったドラマの感想を(あんなことしてる最中に)言った時です。
本当にそのとおりで、良かったって気持ちを言葉にするのってなんであんなに難しいんでしょうね。
気持ちではそう思ってるのにじゃあ何が良かったのか説明出来なくていつもありきたりな言葉を使ってしまいます。
このブログでも苦戦してます。
その克服のためのブログでもありますが。


「お前が勝手にアタシの幸せを決めるんじゃねぇーー!!」

私の大好きなユカさんのお言葉です。
同僚から勝手な価値観を押し付けられてお怒りになってます。
この言葉には作者の叫びを感じてます。


他にも吉川さんの「本当に辛いと思ってるならガマンせずにそこは改善すべき」とかは実際仕事で意識しようと心掛けてます。

最後にトウテムポールさんの絵柄にも注目で、特にコミックカバーがマンガ風になってて、色使いも凝っててとても好きです。

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ただのBLマンガではなくお仕事マンガとしても評価が高いと見ました。
今後の展開、カバーイラスト含めて楽しみです。