人生の糧は人それぞれ

マンガ中心にたんたんと書きます。

【マンガ】雑感 9月

9月に購入したマンガたちです。
絶賛連載中の新刊もあればもうすでに連載終了しているマンガもあります。
すべてではないですが簡単に感想を。



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■9月のNo.1


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窮鼠はチーズの夢を見る
俎上の鯉は二度跳ねる
水城せとな

すんばらしい作品でした。
BLが見事に極上のドラマに昇華されていて参りました。
たぶんそもそもBLジャンルという感覚で描いていなくて、ただテーマが男性同士の恋愛というだけでよく見るBLとは別物と感じました。
流される男・恭一は何故にあんなにモテるんでしょう。
自分は異性愛者だし世間の目から男である今ヶ瀬と肉体関係持つことにすごく抵抗して自分は違うと言い聞かせますが流される男・恭一は身を委ねるだけの今ヶ瀬との関係が心地よくて性行為も徐々に激しくなっていきます。
体の相性も良くて他の男性と一緒にいる今ヶ瀬を見て嫉妬もしたりしてある種の愛情があったと思いますが、果たしてこの感情が同性愛者が相手を愛する感情と同じなのか、できる限りのことはするけど異性愛者の自分は今ヶ瀬と同じように愛することは出来ないと俯瞰します。
今ヶ瀬も恭一が好きすぎてそばにいるだけでよかったのが、恭一はいつかは女を選ぶしそのほうが恭一は幸せになれるけどやっぱり愛してるから離れられないと、好きだからこそ幸せを願うのに本能が拒否をするという噛み合わない精神状態で不安定になっていきます。
割り切ってしまえば楽なのにと思いつつそれが出来ないから恋なんでしょうか。
お互いに理性では抑えられない感情と欲に葛藤する読み応えある作品で、読み終わったあとの数分間は思考停止状態になりましたよ。
見てる私は恭一は十分に今ヶ瀬を愛しているように見えたし、別に同性愛者と同じような愛情じゃなくてもいいんではないかと思いましたが、大きくなりすぎた今ヶ瀬の恭一への愛と同じように愛することは出来ないだろうという気持ちはすごく共感しました。
以前にゆき林檎さんの「グッドバイライラック」でノンケの先生が相手に対して伝えた言葉の「愛しいよ」に共感した理由が、今回のテーマに近い気がします。
相手に対して愛してるとか大それた感情じゃなくても愛しいと思えるその心で十分なんじゃないかと思います。
最後覚悟を決めた恭一の愛の言葉は物語を見てきた私にズッシリ響いてすごく良かったです。
この作品は丁寧に読むより、恭一のように流されるがまま怒涛に読むことをオススメします。
あとがきを読むと作者の水城せとなさんが異性愛者と同性愛者との恋愛について真剣に向き合って描き上げた作品だったんですね。
さぁ、これが映画化ですよ。
どうなるんでしょうw
しかもジャニーズなのに大丈夫ですか!?
でもとてもやりがい、チャレンジしがいのある作品だと思うので良作が出来上がることを祈っています。
行定監督ですし期待できますね。



■9月のコミック表紙 No.1


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二代目!地獄ブラザーズ / tacocasi
もうね、こういう絵大好きなんですよ。
強弱のない線にベタの着色と影がないのでのっぺりしそうですが細工や柄が実は細かくて気になりません。
そのイラストとあったタイトルロゴと飾りもいいですね。
内容もかわいらしい地獄兄弟たちのお話でした。
BL初心者にぴったりな作品です。
Level2ぐらいですかね。
まとめて過去作も購入しましたが、その内の「お守りくん」もかわいい表紙でした。
それは帯がのし紙にようになっていました。



■熱くないけど熱い!


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BUTTER!!! 1~6巻 / ヤマシタトモコ
高校の社交ダンス部のお話です。
これが熱血スポ根マンガのように熱くはないけど熱いマンガでした。
それぞれの登場人物の悩みがどれかは共感できるような悩みだったりして、それに対しての言葉や葛藤で導く様が若い子にとって指針になってくれるような作品かもしれません。
「違国日記」の時も思いましたが、ヤマシタトモコさんの言葉(登場人物のセリフ)って芯が通ってて力強いという感じがします。
なんとなく想像ですが、作者自身が過去に似たような悩みを持っていてそれに対して自分でハッキリと答えを出していて書くセリフだから、登場人物の言葉に疑いがないというか信じているからブレないというイメージでしょうか。
登場人物が勝手にしゃべるというより、登場人物が作者の思いを代弁してくれているような印象です。
とても励ましてくれるようなセリフやエピソードがたくさんでがんばろうと思える作品でした。
一番の地味男の部長が一番の男前キャラだったとは・・・。
部長と副部長の回は泣きそうになりましたよ。



■ここの商店街の住人になりたい


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七つ屋志のぶの宝石匣 9巻 / 二ノ宮知子
今回も少しづつ進展があっておもしろかったです。
顕ちゃんは実際志のぶのことどう思っているんですかね。
大切に思っていることは確実ですが、ちゃんと恋愛対象としてなのか、幼馴染として大切なのか。
このなんともいえない関係がまた見てて楽しいんですけどね。
この世界の住人が楽しすぎてこんなところで住んでみたいです。



■迷ったけど


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学園♡天国 それは恋です小泉くん / 秀良子
なんかビッチがテーマ・・・?
でも秀良子さんだしどうしよう・・・とずっと渋っていましたが、新刊が出るということで買ってみました。
結果はその中の短編がすごく良かったです。
鮭のように戻ってくる芹沢との性描写がほとんどなのに、その反応と過去の振り返りで最後のシーンで芹沢が今までどんな想いでいたのかブワっと想像できて感動してしまったんですよね。
言葉や文章がなくてもそれが想像できるように描かれているところに天晴れです。



■どっち?


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花はどっちだ? 3巻 / 小田原みづえ
最近のお気に入りの少女マンガです。
誰も想いが通じ合っていない四角関係?で、しかも自分は死んでいるのか、本物の花ちゃんはどうなっているのか分からないというややこしい状態です。
陽希さんはスペック高すぎますよね。
こんな人いたら惚れてまうやろ。
少しひねりのある単純な少女マンガではないので展開が楽しみです。



■おじ様萌え


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BADON 1巻 / オノ・ナツメ
また新しい良作が出てきましたよ。
おじ様を描かしたら右にでる者がいないオノナツメさんの最新作。
これまた渋いおじ様たちの再生のお話です。
もう犯罪は犯さないと誓って首都でタバコ店を始めるために行動しますが、スレスレの綱渡りのような駆け引きと過去の犯罪者だったころの冷徹な一面も見えたりしてカッコいい大人の物語になっています。
今回はハートがメインで物語が進みますが、このハートが強面なのにみんなの言葉に感動して涙ぐんだりするギャップがたまりません。
とてもおもしろかったです。


■安心した


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明日、起きたら君は / 早寝電灯
先月紹介した早寝電灯さんの作品です。
帯にデカデカと「睡眠姦」という文字があったのでそっち系?と不安になりましたが、ちゃんと早寝さんらしいそんなことないお話で安心しました。
そしてやっぱりこの方の作品、大好きです。



■余談

異世界転生シリーズのマンガたちのタイトルが長すぎて覚えられないです。
新刊出ても気づかなそう。