雪広うたこ「魔界王子」
原作:高殿円/作画:雪広うたこによるダークファンタジー。
つい最近最終刊の15巻が発売され完結。
古本屋で大人買いをして一気に読みました。
名門貴族の子息のウィリアム・トワイニングはパブリックスクールでは常に成績トップで将来は出世してガッポリ稼ぐことを夢見てました。
しかし校長から学費が支払われてないという衝撃的な事実を知らされ、長期休暇のための帰郷で財産を管理してた叔父のバートンが破産したことを知ります。
なんとか退学を逃れようと学費を工面するため家中探し回っている時に地下室の存在を知ります。
きっと財宝が眠ってると信じてこじ開けた地下室には謎の魔方陣が。
そして偶然に「ダンタリオン」と名乗る悪魔の公爵を呼び寄せてしまいます。
ダンタリオンはウィリアムは古代イスラエルの王ソロモンの末裔で、魔界の代理王を選ぶ権利がある選定公であると告げます。
しかし科学を愛するリアリストのウィリアムは全く信じず相手にしません。
しかしウィリアムの存在を他の悪魔にも知られ、魔界がほっとくわけもなく、ウィリアムは望まなくても魔界のゴタゴタに巻き込まれていきます。
リアリストのウィリアムのおかげで最初はコミカルなコメディ寄りの楽しい雰囲気でしたが、徐々に事態が深刻化していき天界も巻き込んだ大きな話になっていきます。
悪魔を全否定して少し?かなり?自信過剰というウィリアムの設定がなかなか楽しかったです。
状況を受け入れない主人公というのもなるほど有りだなと。
ダンタリオンはあんな扱い受けてよく耐えて懐いたなと思います。
そこが健気でまた良かったですが。
最後はラストに相応しい壮大な終結になってまして、最終回も最終回らしいとても気持ちいい終わり方で私は満足です。
よく長く続くとグダグダになったりする印象が多いので。
あと雪広うたこさんの絵が綺麗ですね。
特に15巻の後ろ側のウィリアムとダンタリオンの笑顔のイラストが好きで、過程を知ってる分とてもステキに感じます。
物語は終わりましたがウィリアムの余生尽きるまで、ダンタリオンも、シトリーも、カミオも、ケヴィンも、みんな幸せに過ごせたらいいですね。